高額療養費制度 月またぎは損をする?

この記事では、月をまたいで入院した場合、損をする!!
という事について解説します。



ただでさえ、よくわからない高額療養費制度。
「月をまたぐと損するの?」
「治療にいくらかかるのかザックリで良いから知りたい!!」
そんな人向けの記事です。


結論からいうと、「保険適用」の療養費だけをみると、ザックリ2倍近く料金の差がでます。
特段、身体に影響なければ、入院・手術の日程を調整する事をお勧めします。



どのくらい医療費がかかるのか、事前に知っているだけで、資金と心の準備、入院・手術の日程調整など、
事前にできる事が沢山あります。そんな御役にたてればなと思います。



まず事前知識として

・高額療養費制度とは
医療費が高額になると後から払い戻しを受けられる制度です。
払い戻しには2~3ヶ月かかります。

・限度額適用認定証とは
2~3ヶ月なんてとても待っていられないという場合は、
事前に認定証を発行しておく事をオススメします。
これを保険証と一緒に提示する事で、払い戻しを差し引いたお支払いですみます。
要は後で払い戻しを貰うか、今貰うかの違いです。

・所得応じて払い戻しの金額が異なります。
その計算式はこちらになります⬇
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前提条件

・今回は区分ウの標準報酬月額28万~50万のパターンで解説します(上の表参照)。

・計算式は、本来なら
80100+(総医療費-267000)×1%
に当てはめますが(上の表参照)
今回は簡単に

8万+総医療費×0.01

で行います。
誤差は3000円以内です。

・入院期間4月24日~5月7日(14日)
※月またぎ

・手術日は4月25日

・14日間の費用の内訳⬇

保険適用
手術代 : 60万円×1回
入院料 : 2万円×14日
リハビリ : 1万円×1日2回×12日(日曜は無し)
その他医療費(点滴・定期診察等) : 5万

保険適用外
食事代 : 500円×3食×14日
個室代 : 5000円×13日(13泊14日)
病衣 : 100円×14日

まずは単純で分かりやす保険適用外から

保険適用外
食事代 : 500円×3食×14日=2.1万
個室代 : 5000円×13日(13泊14日)=6万
病衣 : 100円×14日=0.14万

①+②+③=8.24万 ・・・A

保険適用外は
月またぎと関係ないので
そのまま単純計算しちゃってOKです。


次にややこしい保険適用の計算です。

保険適用の高額療養費は
月ごとに計算します

まず4月分(4月24日~4月30日の7日間)
手術代
60万円・・・①

入院料
1日2万円×7日=14万円・・・②

リハビリ
1回1万円×1日2回×6日(日曜は無し)
=12万・・・③

その他医療費
4万 ・・・④

①+②+③+④= 90万・・・⑤
ここから保険適用の3割負担で 30万・・・⑥

8万円を超え、高額療養費制度が該当するので
計算式に当てはめ

8万+⑤×0.01=8.9万円 ・・・B


続いて5月分(5月1日~5月7日の7日間)

手術代
4月に行ったので0円

入院料
1日2万円×7日=14万円・・・⑦

リハビリ
1回1万円×1日2回×6日(日曜は無し)
=12万・・・⑧

その他医療費
1万・・・⑨

⑦+⑧+⑨= 27万・・・⑩

ここから保険適用の3割負担で 9万・・・⑪
8万円を超えているので高額医療費制度が該当し

8万+⑩×0.01=8.27万 ・・・C

結果、2週間で掛かった費用は
8.24 8.9 8.27
A + B + C =25.41万円 となります。


ちなみに、事前に限度額適用認定証を申請せずに会計した場合は

8.24 30 9
A + ⑥ + ⑪=47.24万

となります。



次に月またぎでは無い同一月だった場合も計算してみます。

4月17日~4月30日の14日間で計算してみます。

変わるのは保険適用のところだけなので

保険適用

手術代
60万円×1回=60万・・・⑫

入院費
1日2万円×14日=28万・・・⑬

リハビリ
1回1万円×1日2回×12日(日曜は無し)
=24万・・・⑭

その他医療費
5万・・・⑮

⑫+⑬+⑭+⑮=117万・・・⑯

ここから保険適用の3割負担で39万・・・⑰
8万を超えるので高額医療費制度が適用され

8万+⑯×0.01=9.17万・・・D

保険適用外と合わせ掛かる費用は

8.24 9.17
A + D = 17.41万

以上です。


ちのみに限度額適用認定証を使わなければ

8.24 39
A + ⑰ =47.24万

となります。
当然ですが、月またぎと同じ料金になります。


どうでしょう。
月またぎ=25.41

同一月=17.41

とでは8万の差があります。

ざっくりとしたイメージで説明すると

同一月内で発生する高額な医療費は、

8万円 + 後は全て1%
(4月分) (4月分)

ですが、月をまたぐと

8万 + 8万 + 後は全て1%
(4月分)(5月分) (4・5月分)

となります。あくまでもざっくり計算です。
もちろん、これに保険適用外の料金が加算されます。

特に緊急では無く、日程を決めれるのであれば同一月内で入退院が出来るように調整した方がお得です(*^^*)